Q.従前より、小売業を営む法人に対して、店舗物件を賃貸してきました。 このたび、当該法人の株式を別の法人が買い受けたようです。そして、同店舗物件について、引き続き賃貸契約の継続を認めてほしい旨手紙が届きました。
賃借人である法人の株主が変わったとしても、法人としての同一性が失われるものではありません。したがって、原則として、賃借権の無断譲渡ではなく、賃貸借契約は解除できません。
もっとも、賃借権の無断譲渡を免れる目的で行った場合や、M&A(企業の合併・買収)により賃借人である法人の法人格が形骸化し、株式を買い受けた法人と同一視されるべき状況に至っているとまでいえる場合には、賃貸借契約の解除を主張できる場合もあるかもしれませんが、稀なケースとなると思われます。