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不動産取引フロー

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賃貸・貸主の場合

不動産(土地・建物)を賃貸するための一般的な流れは以下の通りです。

1査定の依頼 不動産業者に査定を依頼し、賃料を決定しよう

不動産業者に査定を依頼し、賃料を決定しよう   先ずは、その不動産が一体どれくらいの賃料で貸出しができるかを予め見積もる必要があります。その見積りのことを「査定」といいます。
 賃貸不動産の査定は一般的に近隣不動産の相場や過去に取引された事例を参考に決定されることが多いです。
 一般的な人間心理とし、誰しも貸す側は「より高く」、借りる側は「より安く」といった設定を期待します。
 ただやみくもに、相場よりも高く設定した賃料条件でその不動産の借主を募集すれば、当然、いつまで経っても借主は現れませんし、著しく安い賃料で貸出せば、損をしてしまいます。
 よって、この査定には適正さが求められ、この業務は不動産業者が専門的に行います。
 注意点とし査定額は飽くまで適正取引賃料を把握したものであり、必ずしもその査定額が貸出し賃料にはならないということです。
 つまり、いくらでその不動産を貸出すかを決めるのは最終的には貸主であるため、単により金額が高い査定をした業者に依頼するというのは短絡的な発想です。
 賃貸の業務依頼を得たい業者の中には、相場からかけ離れた査定をし、自らに取引を誘引する業者も少なからず存在します。
 宅地建物取引業法では「価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない」と規定されています。
 よって、査定を依頼される場合は、査定額の多寡の判断だけではなく、その業者の取引への姿勢や安全性等を踏まえ、信頼できる業者を選択するよう心がけましょう。
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2媒介の依頼 依頼内容は後々のトラブル回避のため書面にて

依頼内容は後々のトラブル回避のため書面にて  「1.査定の依頼」にて貸出し賃料が決まったら、次は不動産業者に媒介依頼を行います。もしも、この媒介依頼をせず、自ら不動産を賃貸しようとすると、チラシでの広告等の借り手を見つけるための営業活動や、物件内覧、賃貸借契約書の作成等、自らがその全てを行わなければなりません。
 また、普段慣れない方がこれらを行えば大きなトラブルに繋がることも少なくはありません。
 そこで、このような複雑な不動産の賃貸に関し、あなたに代わって各種手続きのお手伝いをしてくれるのが不動産業者であり、その依頼を「媒介依頼」といいます。
 賃貸借の媒介依頼は書面で行うことの義務付けは不動産業者にはありませんが、どのようなことを依頼するかを明確にするために書面で残した方がよいと考えられます。
 不動産の貸出の条件はもちろんのこと、鍵の取り扱い、借主の募集方法、成約した時の報酬の支払額や、営業活動の状況報告等に関して規定しておくことが大切です。

3賃借希望者が現れたら 希望者から「申込書」をもらおう

希望者から「申込書」をもらおう  貸しに出した物件を不動産業者は不動流通サイトや広告チラシ、店頭紹介等の様々な形で営業活動を行います。
 その結果、その不動産を賃借したいという希望者が現れた場合は、賃貸借条件が記された「申込書」が提出されることが一般的です。
 その申込書には賃料、入居希望時期、家族構成、賃借人の勤務先、年収、その他の条件、(申込書の)有効期限等の記載があることが一般的です。
 貸主として注意すべき点は、賃貸借契約は貸主と借主の高度な信頼関係を基礎とした継続的契約であることをよく理解し、その関係を築くにあたり、その相手方について十分に把握した上で契約を締結することです。よって、相手がどのような事情であなたの物件を賃借したいのか、生活時間帯はいつなのか、お子さんは何歳くらいか、連帯保証人の予定があるのか等、不動産業者から申込書に記載ある項目以外にもよく確認して下さい。例えば、生活時間帯が夜間中心になるような世帯の場合、現在、あなたの不動産へ入居されている方との間で円満な共同生活が送れるでしょうか。入居者として記載がある人物の内、世帯家族以外の方がいる場合にはどのような関係なのでしょうか。相手方を疑うことは気持ちのいいものではありませんが、賃貸借契約は貸主にも重い責任があります。アパート、マンション等、複数人における共同生活の場となる物件の場合、その賃借人のみならず他の賃借人に対しての配慮も必要となります。 
 もう一例挙げてみます。ペットを従来禁止していたマンションにおいて、一人の入居者のみペットの飼育を認めた場合、どのような結果となるでしょうか。ペットは可愛く、最近では家族の一員と考える方も多いことでしょう。しかし、前提条件でペット不可物件として入居した方と貸主であるあなたとの間では最悪の場合、契約違反となってしまうこともあり得ます。
 このように、賃貸借契約の貸主は賃料を借主から受け取る対価として借主に対して生活拠点や経済活動としての場となる不動産を提供するといった重い義務を負っており、その借主については勿論のこと、その他の借主のことにも配慮しなければならず、借主の一人についても入居申込時点でしっかりと審査しなければなりません。
 また、賃料の支払いに関しても、契約の根幹でもあることからその審査は重要なものです。
 かつては、借主の親族等に連帯保証人になってもらい、賃料支払い等に債務不履行があった場合に、借主に連帯してその保証人に対し、債務を負ってもらいました。最近では、その慣習が引き続き継続する一方で、家賃保証会社を利用するケースも増えています。
 賃借人と家賃保証会社との間で保証契約を締結し、万一の場合は、家賃保証会社が貸主に対して滞納賃料を支払うといったものです。
 管理会社の中では、この家賃保証会社の利用を条件とするところも多く、そのメリットは入居前において与信が得られることです。
 貸主においては申込書に加え、これらの与信機関を活用することも一つの方法であることを押さえておきましょう。

4賃貸借契約の締結 納得できる内容で不動産賃貸契約を締結しよう

納得できる内容で不動産賃貸契約を締結しよう  申込書に記載された契約条件は一部でしかありません。その賃貸借に関する取り決めが細かく記されたものが賃貸借契約書です。
 大切なことは事前に不動産業者から事細かくその契約書の内容の説明を受けることです。一般的に契約書には普段馴染みのない専門的な用語が多く使われています。一読しただけで把握することは難しく、分からない点は納得できるまで不動産業者に聞いて下さい。
 また、その中で自己に不利な点に関しては万一のケースを考えた場合、どのような回避策があるのかも同時に確認しましょう。
 特に、入居者の退去後に関する原状回復に関する規定は重要です。
 敷金保証金を契約に際し、賃借人から預かる場合にあっては、その賃借人の退去に際し、敷金保証金の中から原状回復費用を相殺できる旨が記載されていることが大半です。勿論、敷金保証金は一時預かり金であるため、契約が解除されれば、清算の後、これらは借主に返還される金種です。
 貸主としては次に入居する方のため、極力、物件をきれいな状態にしたいと考えられる方が多いかとは思います。
 よって、退去する借主に対し退去の立ち合い時に、様々な修繕工事費を負担してもらえればとも考えられますが、この件については貸主の一方的な都合通りにはなりません。
 それは国土交通省の規定する、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には通常損耗、つまり「借主が通常の使用、住まい方をしていても発生してしまうと考えられるもの」に関しては貸主が負担するものと規定がされており、こういった規定を無視し、契約において借主(消費者)に一方的に不利な特約は無効とされてしまうことが消費者契約法でも規定されているからです。
 よって、契約の締結に際しては、それらの程度を不動産業者と入念に事前確認し、コンプライアンスに則った契約を締結するようにしましょう。
 また、賃料滞納についての取り扱いも重要です。
 毎月、決まった期日までに借主は賃料を支払うことが一般的ですが、万一、それが滞った場合はどのように対処されるのかは極めて重要です。たしかに、賃料の滞納は契約違反に該当しますが、ただ一度、うっかり忘れただけでは契約解除はできないのが通例です。相当期間の滞納により、貸主と借主の間の信頼関係が破壊されたとされる場合において契約が解除される訳ですが、どれだけの期間の滞納であれば解除が認められるかは個別の事案により異なります。
 よって、予め契約に記すべき滞納により契約解除ができるケースも不動産業者とよく相談をして決めるべきなのです。
 契約締結にあって、貸主、借主は認印でも締結できます。ただし、連帯保証人がある契約にあってはその保証人は実印を押印してもらう場合が多く、それに印鑑証明書を添付するのが一般的です。また、その他に借主からは在職を証明する書類(健康保険証の写しや納税証明書等)を提出してもらうことが通例です。

5物件引渡しに向けての準備 引渡しに向けた準備を進めよう

引渡しに向けた準備を進めよう  契約が締結されれば、その契約書に規定された引渡し日にあなたは物件の鍵を引渡し、その取引が完了する訳ですが、それまでの間に貸主はそれに向けた準備を進めておく必要があります。
 前の入居者が直近まで居住していた物件の場合にあっては、リフォーム工事を行うことが大半であり、その場合その工事が完了しているか否かの確認を自身の目で必ず確認するようにしましょう。
 管理会社に委託している場合、その全てを任せきりになってしまう貸主が多いですが、この点は自身の目で確認されることが大切です。
 入居後に借主からクレームが入るタイミングは、物件の引き渡し直後が非常に多く、それは室内の状態に不備があることが多いためです。
 入居に際して、取り換えるはずだったクロスの張替えがされていない、畳の表替えをするはずであったがされていない、水道パッキンからの水漏れが修繕されていない等、あなたからのリフォーム工事の内容がうまく伝わっていないケースが多々あるからです。
 最悪の場合、再工事期間中の間の賃料を借主に返還したり、契約解除されてしまうこともありますので入念にチェックしましょう。
 また、売買契約と違い、賃貸借契約の場合は入居日当日ではなく、事前に契約金の授受がされることは少なくありません。
 その契約金は直接、借主から振り込みがあるケース、不動産業者を介して支払われるケース、様々です。
 いずれの場合にあっても、受け取る金額の内訳が分かるように予め、不動産業者から明細書をもらい、付け合わせができるように手配をしておきましょう。
 借主に渡す領収書にはその内訳として礼金や賃料(前家賃も含む)を記載します。ただし、敷金保証金については領収ではなく、一時預かり金であるため、その旨が分かるように別途、預かり証等を渡すなどして区別するようにします。
 また、不動産業者に媒介手数料等を支払う場合にあっては、その名目をしっかりと記してもらい、必ず領収証を発行してもらうようにしましょう。
 大家業においても当然、確定申告が必要となり、各種経費の領収証はそれに備え大切に保管するように心がけます。

6物件引渡し 保険に加入してもらおう

保険に加入してもらおう  物件の引渡し日は、実際に賃借人が物件へ入居する入居期間の始期に該当する日が大半となり、その日において、貸主は借主に対し、物件の鍵を引き渡すこととなります。
 物件を引渡す際は、極力、賃借人の立会いの下、物件の現場で行うことをお勧めします。たとえば、床に傷があった場合等、その責任の所在がはっきりするからです。もしも、現場での立ち合いができない場合には写真等を撮影しておくとよいでしょう。
 また、物件の引渡しにて注意する点は、借主において借家人賠償責任補償が付帯された保険に加入されているかどうかです。入居者の中には物件の火災保険は貸主側が加入するものと考えられていることが多いですが、借家人賠償責任補償とは借主の貸主に対する損害賠償を補填するものであることから、借主が加入するものです。一般的な賃貸借契約書ではこの保険の加入を義務付けている場合が殆どです。
 その理由として、借主が入居中に火災を起こし、室内を原状に復すには多額の費用を要し、それを個人の資力で補うには限界があるからです。
 また、たとえ借主が火元にいかなる注意を払おうとも、もらい火による延焼は防ぎようがありません。もらい火の場合には火元となった方がその責任を取るのではないかとの疑問の声をよく聞きます。
 ところが失火責任法(失火法)という法律にて、「民法709条で規定されている原則とは別に失火(火事)の場合、この原則を適用しない。」とされています(重過失の場合を除く)。これにより、たとえある借主の部屋がもらい火にて延焼した場合でも火元である別の賃借人に対し損害賠償請求ができないこととなり、延焼した部屋の賃借人は自ら貸主に対し、原状回復の義務だけが残ってしまいます。
 以上の理由から、借家人賠償責任補償がついた火災あるいは家財保険がいかに大切かご理解いただけると思います。よって、鍵を賃借人に引き渡す際にはこの点だけはしっかりと確認しておきたいところです。

7キャンセルについて 契約後のキャンセルには注意しよう

契約後のキャンセルには注意しよう  契約締結後において、貸主や借主が自由にその契約を破棄できてしまえば、契約そのものに意味がなくなってしまいますし、その相手方は常に不安定な状態に置かれてしまいます。
 まず、契約締結前のキャンセルを入居希望者は自由にできます。
 貸主においてはそのキャンセルを防ぐために、申込金等を入居希望者から申込時に預かることもあるとは思いますが、それは売買契約の手付金と違い返金しなければなりません。不動産業者において契約前に申込金や手付金等、名目の如何を問わず金員を入居希望者から預かる場合においては、その内容をしっかりと把握し適切に対応しなければなりません。
 次に契約後のキャンセルですが、入居希望者から申込みがされ、貸主からの審査が行われた後、契約が締結されてしまえば、その後は契約に定められた解約に関する規定に則り手続きを進めなければなりません。それは当然、解約予告期間の規定等も適用されますし、貸主からの解約の大半に関しては正当事由が必要となることでしょう。借主は予告期間分の賃料を支払わなければならなくなり、礼金も返還されませんし、貸主の場合は借主の契約違反や正当事由なき場合は立ち退き費用が発生することもあります。
 いずれにせよ、いたずらにするキャンセルにはペナルティが発生する場合が多いため、契約はあらゆる事態を想定した上で締結することが大切となります。

8入居中のトラブルについて トラブルの対応は迅速にしよう

トラブルの対応は迅速にしよう  賃貸借契約は継続契約であるため、契約後も様々なことが起こり得ます。
 特に賃貸借契約に関するトラブルに関しては、その範囲も広く、複雑なものも多いのが特徴です。
 代表的なものとしては、設備の故障や不良が挙げられます。設備の故障や不良に関しては特に契約で定めがない限り、貸主にその修補義務があります。その故障が借主の生活の根幹に影響を与える場合、その修補に関しては早急に対応しなければならず、その対応によっては貸主の契約違反とも発展しかねません。
 また、近隣や隣接する部屋などからの騒音等のクレームなどもよくあります。
 特にアパートやマンションからの騒音に関しては共同生活であることから、その程度がどのようなものかが重要ですが、相手の一方的な主張だけで判断することなく、もう一方の言い分や現状を確認する必要があります。
 いずれにしてもトラブルを解決するには現状を確認し、話し合いをすることが大切です。法律的な見解を用い、交渉に臨もうとする方が多くいますが、法律的な判断より、まずは契約書に書かれてあることをよく確認し、相手との話し合いの場を持つことが先決です。相手方の主張は賃借人が賃貸人を攻撃しているかのように受け取れがちですが、賃借人の多くは困っている現状を理解してもらいたいと考えていることが大半です。そのためには、まず相手を理解してあげるスタンスにて交渉に臨めば意外と簡単に片付いてしまうことも多いのです。
 ただ、このような交渉等に関しては時間もエネルギーも必要になります。そのような折、管理会社に業務委託していればこのような事案に対しあなたに代わって事務を行ってもらえます。(委託した範囲により内容は異なる。)
 あなたのライフスタイルを考慮し、管理会社に委託することもご検討されてはいかがでしょうか。 
 最後に賃料滞納に関して記します。滞納賃料に関し、督促を行い債権回収する行為はいずれも法律行為に該当します。その督促を自ら行う方も多いですが、いつ、どのような時期に、どんな方法でそれを行うかの判断に迷うものです。そこで身近な大家仲間や不動産業者にこれらの事務を代わって行ってもらおうとする方もいますが、厳密に言えばこれらは「弁護士法」違反となります。
 また、督促状の作成も事態が深刻になるにつれ内容証明郵便にて行う場合がありますが、こういった権利義務に関する書類作成も専門家に作成してもらわなければなりません。
 自らで全てを行うことが可能である場合を除き、滞納賃料や立退き交渉等については専門家に依頼して対応するようにしましょう。

9解約 解約時には「解約通知書」を借主より提出してもらおう

解約時には「解約通知書」を借主より提出してもらおう  賃貸借契約の解約は様々な事情で行われますが、一般的なものとしては借主側の住み替え等による解約です。
 なお、借地借家法の適用のある契約、つまり建物所有を目的とする借地の契約と建物賃貸借を目的とする借家の契約にあっては貸主からの契約解除は「正当事由」が必要となります。この正当事由は厳格であり、借主の保護を目的とされているため、貸主の身勝手な都合では解約ができません。
 また、契約更新の拒絶も同様に、正当事由が必要となります。
 ただし、借地借家法38条に規定される期間の定めのある建物賃貸借契約のうち、賃貸借契約の更新が認められず、 契約期間の満了により、確定的に賃貸借が終了する賃貸借契約(定期建物賃貸借契約)の場合は、期間満了により契約は終了します。
 さて、借主が解約の意思がある場合にあっては、それを明確にするために通常は「解約通知書」という書面を貸主に提出してもらいます。賃貸借契約書には「解約通知期間」が設定されていることが一般的であり、借主が解約したい日から何日前(何ヶ月前)までに貸主に対して申し出なければならないといった定めがあるのです。なお、急な借主からの申出にあっても対応ができるように、この事前通知に代わり、その期間分に応じた賃料を支払うことで解約を認めるという取り決めも一般的です。
 よって、解約通知書には実際に解約したい日を借主に記入してもらい、同時に退去立ち会いの日時も確定するようにします。
 既に借主の次の転居先が決まっているのなら、住所及び連絡先も確認し、その後の手続きに支障をきたさぬようにしましょう。

10退去立ち合いについて 揉めないようにしっかりと進めよう

揉めないようにしっかりと進めよう  賃貸借契約が解約されたり、期間満了にて終了すれば、物件が返還されますが、その返還の際に貸主は退去立ち合いをする必要があります。
 それは、賃借人が退去する際に、物件がどのような状態であるかを確認するためです。一般的には退去立合いには、貸主、借主の他、管理会社や修繕工事業者が同席します。
 敷金保証金の清算がその場でされることは稀であり、後日、その清算書を借主へ送付することが殆どですが、大切なことは契約書に照らし、借主の故意・過失で損傷等した部位を特定することです。
 責任不明確な損傷等はその扱いに関し、契約書に委ねることになりますが、それでも判然としない場合は話し合いによります。
 この退去立ち合いの際には「確認書」を作成し、それぞれの取り扱いについてお互いが合意した旨をはっきりと記録しておきましょう。なお、確認書内には双方の署名があればなおよいです。
 その確認書に基づき、修繕費の見積りをとり、敷金保証金がある場合にあってはそこから修繕費を相殺し、残額を借主に返金するのが一般的なやり方です。確認書内には敷金または保証金の返金先である借主の金融機関口座もしっかりと記入してもらうようにしましょう。また、相殺しきれずに追加の修繕費が必要な場合もありますので、送付する清算書内において修繕費用の明細、その額、追加にて請求する金額を明確にし、別で請求書を同封するのがよいでしょう。
 清算するべきは修繕費だけではなく、未納賃料等も含まれるケースが大半であるため、賃借人におけるその他の債務がないか否かも事前に把握しておき、退去立ち合いをスムーズに行えるよう準備しておきましょう。
 また、鍵もしっかりと返還してもらい、入居当初に渡した本数、鍵番号を確認します。
 「4.賃貸借契約の締結」でも説明したように、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や消費者契約法に抵触しないよう、気を付けましょう。
 この退去立ち合いも非常に気を遣う業務の一つであり、管理会社に依頼すれば煩わしい事務を軽減できます。

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